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下に根、上に実
イザヤ37章30〜32節
錦織 博義 師
ユダの家の、のがれて残る者は再び下に根を張り、
上に実を結ぶ。……万軍の主の熱心がこれを成し遂げられる。 (31-32)
ユダ王国は危急存亡の時を迎えていた。アッシリヤはユダにも侵略の手を伸ばし、ユダは大きな痛手を負っていた(36章)。こうした危機にあってユダの王ヒゼキヤは自ら神に祈ると共に、預言者イザヤに使者を遣わして、祈ってくれるように要請した。その返事と勝利の様子が37:21〜38に記されている。
勝利までの3年間
イザヤは「ことしは落ち穂から生えた物を食べ、二年目には、またその落ち穂から生えた物を食べ、三年目には種をまき、刈り入れ、ぶどう畑を作ってその実を食べる」と預言した。つまり侵略によって荒らされた田畑の復興には三年間を要することを伝えた。私たちの教会の現状と併せて、この一年熟慮したい。
下に根を張り、上に実を結ぶ
まず「下に根を張る」ことである。この間は、大盤振る舞いはできないかも知れない。「落穂から生えたもの」で生活する苦しい時だが、その期間は私たち個人の信仰生活、特にお互いの祈りの生活・主にある者同志の交わりにおいて「下に根を張る」時である。それは基礎体力をつける時である。まずお互いに「聖書を読もう・熟読しよう・にれはもう」。個人の祈りを大切にしよう。同時に礼拝後に短くてもいい、誰かと祈ろう。祈りのムーブメントが起きたらいいと思う。独りも祈らないで帰る人のないようにしよう。「下に根を張る」のだ。
その結果、必ず「上に実を結ぶ」ことができる。折角キリスト者とされながら、何らかの理由で教会を離れた人々がいる。こうした人々を覚え、その信仰が復興されることを祈ろう。しかし幸いなことに、神は教会に主に仕える者(私たち)を残しておられる。それが私たちなのだ。
万軍の主の熱心
「万軍の主」とは、何という力強い肩書だろうか。旧約聖書には246回も出てくる。ところが「万軍の主の熱心」というと、こことイエス・キリスト降誕の預言(イザヤ9:7)の2カ所だけである。神の熱心は、人間的には全く不可能のようなことを実現・成就させた。しかし、その主の手を動かしたのは、イザヤやヒゼキヤの祈りであった。
私たちの祈りは、神の大能の手を御手を動かす力となる。しかし、この一年間、教会員の心を一つにして、共に祈り抜かせて下さるのは、「万軍の主の熱心」である。「万軍の主の熱心がこれをされる」ことを信じ、期待して、しっかり深く根を張ろうではないか。
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