恵みの時代の夜明け ルカ1章5〜25節
そのあわれみによって、日の光が上からわたしたちに臨み、暗黒と死の陰とに住む者を照らし、わたしたちの足を平和の道へと導くであろう。 (78-79)
旧約聖書最後の預言者マラキから400年に亘って神の言葉も与えられ「沈黙の四百年」は一般に「中間時代」と言われていますが、やがて「恵みの時代の夜明け」が訪れました。それはバプテスマのヨハネの出現となってスタートするのです。
ザカリアとエリサベツの人なり
ルカはイエスの誕生に先駆けてヨハネの誕生から物語を始めています。ヨハネの父は「ザカリア」という祭司、アロンとダビデの子孫であり、優れた名誉ある家系でした。またザカリアの妻・エリサベツもまたアロンの子孫でした。ルカは、彼らの敬虔な生き方について、二つの面からこれを示しています。一つは「神のみ前に正しい」ということであり、もう一つは、「主の戒めと定め戸を、皆落ち度なく行っていた」ということでした。
思いがけない知らせ
ザカリヤ夫妻への思いがけない知らせは、み使いガブリエルからもたらされました。「恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈りは聞き入れられたのだ」。
神の前に正しく歩んでいたザカリヤたちにも悩みがありました。どんな立派な人でも、失望のただ中に置かれることがあります。しかし神さまは、それらのことを皆覚えていて下さるとは、何と大きな慰めではないでしょうか。
祝福としての沈黙
どんなに信仰深い敬虔な夫婦でも、不信仰に陥ることがあります。「どうしてそんな事が、わたしにわかるでしょうか」(18)。神を敬う祭司職にある人であっても、不信仰に陥ることがあるのです。
不信仰を起こしたザカリヤは子どもが生まれるまで、話すことができなくなってしまいました。
これは単なる不信仰への裁きではありません。そもそも私たちは黙っていることより、話すことが好きです。しかし、黙って神の前に出て、神さまの臨在に接するとはどういうことなのかを学ぶことは、もっと大切なことです。沈黙の中に、豊かな神さまとの交わりが生まれてきます。それによって、人との交わりも深まってきます。
わたしたちは、今日から「アドベント」の期間を過ごそうとしています。神の計画は着々進められていました。「恵みの時代の夜明け」です。真っ暗な中を歩んでいるように感じる方も「恵みの夜明け」を待とうではありませんか?その日は近いのです。
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