魚にのまれたヨナ ヨナ書1〜2章
わたしは悩みのうちから主に呼ばわると、主はわたしに答えられた。
わたしが陰府の腹の中から叫ぶと、あなたはわたしの声を聞かれた。(2:2)
ヨナはイスラエルの南北朝時代に北朝のイスラエルで活躍しました。ヨナが活躍したのは北朝の王がヤラベアム二世の時代です。この時代は、北王国もとても繁栄し、国土を広げていました。そしてヨナは、この時代、イスラエルが国土を回復していくことを預言し、その預言は成就していきます。しかし、そんなヨナに主は、ニネベに行って、呼ばわれと命じられます。これはニネベで、神の言葉を語り、悔い改めを迫るようにということでした。
1 神の顔を避けたヨナ
ニネベはこの当時世界で最も大きい都市のひとつで、アッスリヤ帝国の首都でした。このアッスリヤ帝国はイスラエルにとってはとても大きな脅威でした。ヨナはニネベに行きたくなかったのです。神様のおっしゃることは分かりますが、正直行きたくない。ニネベなら滅んでしまった方がいい・・・くらいに思っていたかもしれません。でも、それは神の命令に背くことになります。彼は「主の前を離れて」いきます。これは「み顔を避けて」とも言える言葉です。そして、御顔を避けて逃げていくヨナの生涯は下り坂です。下り、下り、下り・・・。
ヨナを乗せた船が出帆してしばらくして、とんでもない大嵐が来ます。人々はわらにもすがりたい思いで荷物を捨てたり、神々に祈り始めます。そんな時、ヨナは船底で寝ていました。異邦人の船長に預言者のヨナが「お祈りしなよ」と言われているのは何とも滑稽です。
2 悔い改めたヨナ
それでも嵐が静まらないので、人々は誰のせいか知るためにくじを引きました。そしてそのくじはヨナにあたります。ここまできてヨナは観念します。もうだめだ。神様からはやっぱり逃げられない。ヨナのリクエストに従って人々は恐れを覚えながらもヨナを嵐の海に投げこみます。すると嵐はうそのように静まりました。
さてヨナです。神様はヨナのために魚を備えて、ヨナを飲み込ませられます。ヨナは九死に一生を得ます。ああ、ひとまず助かった、まだ私は生きている・・・その時、ヨナは神様に悔い改め、また救いを与えて下さる神様をあがめたのでした。悔い改めるとは向きを変えることです。神の顔を避けて生きていたところから、神に向き合って生きる生涯を取り戻すことです。その時に主は私たちの祈りを聞いてくださるのです。
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