神の真実　　エレミヤ　３１章　１〜３４節

丸山峰子修養生

わたしは限りなき愛をもってあなたを愛している。それゆえ、わたしは絶えずあなたに真実を尽くしてきた。（３）　

　イスラエル王国は、ソロモン王が亡くなったあと北イスラエル王国と南ユダ王国とに分裂しました。今日取り上げるエレミヤは、南王国で活躍した預言者です。エレミヤは、アナトテという村の祭司の家系に生まれ、本来なら村の一祭司として生涯を終えるはずでした。

　エルサレムは滅び、民はバビロンへと捕われて行く、そうエレミヤは宣告するように神様から召されました。 神様は異国の宗教を拝み、偶像礼拝をするユダの民の罪をお許しにならなかったからです。

　ですが、神様は全ての民を滅ぼすことはなさいませんでした。

　「わたしは限りなき愛をもって絶えず真実をつくしてきた」と、民への憐れみを示し、エルサレムへ再び帰すと約束してくださいました。

　神様は真実（ヘセド:憐れみ）をもって限りなき（オーラーム:永遠の）愛を民に注いでくださっている。真実とは、神様の選ばれた民への約束の実現ということです。それは神様がご自身の言に忠実であられ、必ずそのとおりに為してくださる、という私たちへの約束にほかなりません。

　私たちはときに試練に会います。ですがそのような時にも、神様は私たちに憐れみを示し続けていてくださり、御言によってその約束が真実であることを私たちに知らせてくださっているのです。

　それでも私たちの神様への信頼は苦難や試練によってぐらつくことがあります。それほど私たちは弱く脆い人間だからです。

　そのような私たちに、神様はエレミヤを通して新しい契約の言をくださいました。それは神様の律法を民の心の内におき、彼らの不義をゆるし、もはやその罪を思わないというものでした。

　その新しい契約こそイエス・キリストです。神様はイエス様をこの地上にお遣わしくださいました。それによって私たちもまた罪を赦され、神様との新しい契約の民、選ばれた神様の民とされたのです。

　神様は今もイエス様を通して私たちに真実の愛を尽くしてくださっています。それは御国に入るまで、また入ってからもとこしえに続く神様の私たちへの変わることのない真実の約束の言です。その言を信じることで私たちにも天の御国への希望が与えられているのです。