神は忘れない　　ルカ　１章 39〜56節

主は、あわれみをお忘れにならず、その僕イスラエルを助けて下さいました。私たちの父祖アブラハムとその子孫とをとこしえにあわれむと約束なさったとおりに。 （54−55）

　この46〜55節はマリヤの賛歌と言ってとても有名な賛美の歌です。そしてマグニフィカートと言われて大変親しまれています。マグニフィカートというのはマリヤの祈りの最初の言葉「崇めます」という言葉から来ています。
　このマリヤの賛歌から、私たちはマリヤの讃えた神の姿をみたいと思います。今日、学びたいのは神は忘れないお方だと言うことです。

１　神は私を忘れない

　ここでマリヤは言います。神さまは私のことを心にかけてくださった。目をとめてくださった。神さまは私を見ていてくださる。こんな貧しい私、卑しい私。ある意味、だれも目を止めてくれないかもしれない。でも、そんな私を神は心にかけてくださって、わたしに大きなことをしてくださった。神はそういうお方だ。だから私は神さまをあがめないではいられない・・・マリヤはそのように歌うのです。

２　神はあわれみを忘れない

　イスラエルはローマの支配の下にありました。どうしてそういうことになってしまったのか。神はダビデの子がずっとこの国をおさめるとおっしゃったのに何が起こってしまったのか。元々はイスラエルが神に信頼するよりも、人に頼り、また偶像にすがるような生き方をしたからです。ある意味、神さまに見捨てられても当然と言えます。けれども、神さまはあわれみを忘れられることはないのです。神さまはあわれんでくださる。そんなイスラエルをも救ってくださるのです。

３　神は約束を忘れない

　神は約束を忘れない方です。語られたことを決してなしにされることのない方です。いつ神が語られたのですか。それは、いつの約束ですか。そもそもはあのアブラハムにされた約束でした。イエスさまからすると二千年ほどまえの人です。神はアブラハムに地のすべての民はあなたによって祝福されると語り、またすべてあなたが見渡す地は永久にあなたとあなたの子孫に与えます、とおっしゃいました。イスラエルの方が約束を破って神を捨て、神に背いたのです。でも神はあわれみを忘れず、そのお約束を忘れられませんでした。神は今も、その約束を決して忘れない方です。そしてそれを忘れないだけでなく、必ず実現してくださるのです。天地は滅んでも、神の約束は変わらないのです。

　神は忘れないお方です。あなたのことを、そのあわれみをその御言のお約束を。私たちはこのお方にすがって歩んでいくのです。