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列王記上 21章1〜16節    2016年10月4日

ナボテはアハブに言った、「わたしは先祖の嗣業をあなたに譲ることを断じていたしません」。(3)

 アハブ王の宮殿のすぐ横にはぶどう畑がありました。アハブはその土地が欲しくてたまりません。最初アハブはその土地の所有者であったナボテに土地の買い取りを申し出ます。しかしナボテはそれを拒みます。王の申し出を断るということは勇気のいることだったでしょう。しかし、ナボテは先祖から譲り受けた土地は、たとい相手が王であったとしても、譲り渡すことをしてはいけないと考えたのです。イスラエルにおいては土地は主から与えられた譲りと考えられていました。ですから土地の売買も、実際の土地の売買というよりも、土地の使用権を年限を決めて譲るという形を取りました。そして期限が来るとその土地はまた元の所有者のもとに帰ったのです。ナボテの忠実な姿勢に対して、アハブ王は王妃イゼベルにそそのかされて、とんでもないことをします。偽証を立てる者を雇って、「ナボテは神と王とを呪った」と言わせ、死刑にした上で、彼の畑を奪ったのです。
 この世においては多くの王が似たようなことをしていたかもしれません。多くの人は真実を知らなかったかもしれません。しかし、主はアハブのしたことを全部ご存じでした。

列王記上 21章17〜29節    2016年10月5日

アハブがわたしの前にへりくだっているのを見たか。彼がわたしの前にへりくだっているゆえ、わたしは彼の世には災を下さない。その子の世に災をその家に下すであろう。(29)

 ナボテは神と王とを呪ったかどで有罪とされ、正規の手続きを経て処刑されました。アハブがナボテのぶどう畑を自分のものとするための障害は取り除かれました。このニュースを聞いたアハブは喜んでナボテの畑に向かいます。しかし、主はすべてのことを知っておられました。そして、アハブとイゼベルに対して神の裁きが告げられます。
 ただこの列王紀の記者は、アハブがエリヤの言葉を聞いた時、衣を裂き、荒布を身にまとい、断食して、主の御前に悔い改め、へりくだったと記しています。主は、アハブに災いを下すのを思いとどまられます。私たちは、いくら悔い改めたとは言え、イスラエルに偶像を持ち込み、さんざん悪を行ってきたアハブをゆるされる神の姿に戸惑いさえ覚えます。しかし、主はどこまでも、罪人が滅びることではなく、悔い改めへりくだって生きることを願われるお方なのです。



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