詩編には、神を「たたえ」る歌ばかりではなく、多くの「嘆き」の歌が含まれています。この詩編も嘆きで始まります。悪意をもって近づき、悪いことをする人がいます。口ではフレンドリーに語り、笑顔で近づいてきますが、心には悪意があるのです。この作者は神に叫びますが、まるで神は沈黙しておられるように感じています。このままでは自分は死んでしまう、そのような危機の中に置かれているのです。
しかし、祈りの中で、彼は神へのたたえへと導かれていきます。「主は嘆き祈る私の声を聞かれた」という確信と感謝へと導かれていくのです。この作者は喜び踊るように主を賛美します。そして、その救いの経験は個人的なものに留まらず、同じように主がその民のために力をふるい、その民を救い、祝福してくださるという信頼へと導かれていきます。まさに自分たちは「あなたの民」「ご自身の民」だからです。