この詩編の作者は聴き手に「あなた」と呼びかけて、聴き手を信仰へと招いています。おそらく、この詩編で「あなた」と呼びかけられているのは王です。確かに王は、民の前に立って信仰をもって進むように模範を示し、また民を励ますことを期待されています。その意味では王は、神にその職へと任じられ、油注がれた者として誰よりも信仰を求められていると言ってもよいでしょう。ただ、そんな王でも弱さを覚える時があります。だからこそ、作者は王のために主に祈るのです。私たちが祈れないときに、信仰の弱さを覚える時に、私たちのために祈り、また私たちを信仰へと導いてくれる人がそばにいるということは何という大きな励ましでしょうか。そしてある意味、この詩編の作者は、私たちをもこの詩編を通して励ましているのです。何がなかったとしても、私たちの神、主の名を誇りとして生きるお互いでありたいと思います。