ヨブ記21章1~34節

どうして、悪しき者が生き長らえ
老年に達して、なお力を増すのか。(7)

 ヨブはまた答えます。ヨブの嘆きは単に人に向かっていたものではありませんでした。義なる慈しみに富まれた神がおられるなら、どうして正しい者が苦しむのでしょうか。確かに罪を犯してその結果を刈り取るということはあるでしょう。しかし、同時に、時に正しい者も苦しみに遭うことがあるのです。ヨブの苦しみ・嘆きはまさに神を知っているがゆえの悩みでもあります。彼は苦しみの意味が分かりません。いつくしみに富み、全能であられる主がおられるなら、どうして自分は苦しむのか、正しい者は苦難にあうのかという問いなのです。
 ヨブは言います。正しい者が苦しみ、また悪しき者が栄えるのはなぜか。天路歴程を書いたジョン・バンヤンの小説の中に「悪太郎の一生」というものがあります。悪太郎は神に背きながらも栄えて、平安の内に死んでいきます。彼がそのように死んだということが彼の最大の悪でもあったとバンヤンは語ります。神に信頼しなくても、幸せに生きられるという模範?を示してこの地上を去ったからです。ヨブも同じような問いを発するのです。