ダビデは若い日にサムエルによって油注がれ、主によってイスラエルの王として選ばれ、立てられていました。そしてダビデは、今はサウルに追われている立場であったとしても、主は自分を守り、やがて約束の通りに自分を王にしてくださると信じ、主に信頼して歩んでいました。
たださすがのダビデもこのままでは殺されてしまうと恐れにとらわれるようになります。サウルに対して、自分に悪意のないことを何度説得しても、またきっと自分を追ってくるでしょう。その意味ではダビデは現実的であり、人間の罪深さをよく知っていたとも言えます。ただ、ここで彼が「このままではいつかはサウルの手にかかるに違いない。ペリシテ人の地に逃げるほかはない」と言った時点で、ダビデは神への純粋な信頼を見失ってしまっています。彼は人間的な手段に頼ってペリシテ人の地に逃れます。しかし、このことは後に、ダビデを大きな苦しみに追い込むことになります。