サウルが選ばれて王となった時、そのことを受け入れない人たちもいました。サウルがベニヤミン族の出身だったこともあったかもしれません。ベニヤミンはヤコブの十二人の息子たちの中でも最年少でしたし、ベニヤミン族は、士師記十九~二一章の事件もあって、危うくなくなってしまうところでした。その意味でも、イスラエルの中でも最小部族だったことでしょう。他の部族の人々の中には当然おもしろくない人たちがいたことだろうと思います。
そんな時、アンモンの王ナハシュがギルアドのヤベシュを攻め囲みます。王になったばかりのサウルはイスラエル中から兵士を集めて戦いを挑み、大勝利をおさめたのでした。サウルが王となったことに不満をあらわしていた人たちに対して、サウルは王の権威を示し、厳しい裁きをすることもできたでしょう。しかし、サウルはイスラエルの民と共に、心から主の救いの業を楽しんだのでした。