サムエル記上5章1~12節

アシュドドの人々はこれを見て、言った。「イスラエルの神の箱を我々のうちにとどめて置いてはならない。この神の手は我々と我々の神ダゴンの上に災いをもたらす。」(7)

 ペリシテ人たちはイスラエルから神の箱を奪い、自分の国に持ち去りました。彼らは自分たちの勝利に酔いしれていたことでしょう。またこの時代、国と国の戦争は、それぞれの国の拝む神の戦いとも考えられていました。その意味ではまさに、ペリシテ人たちは、自分たちの神ダゴンがイスラエルの神に勝利したと歓喜したはずです。そして、彼らは勝ち誇るようにして、神の箱をダゴンの神殿に安置しました。しかし朝が来ると、ダゴンの偶像は神の箱の前にうつ伏せになって倒れていたのでした。また神の箱を持ち運んだ町では腫れ物が蔓延して人々を苦しめました。
 ペリシテ人たちは悲鳴を上げます。彼らは神の箱を、イスラエルの民が拝んで、大事にしている神的なものとして受けとめていたでしょう。しかし偶像しか知らなかった彼らは主なる神を、イスラエルを愛し、支えられる、恐るべきお方として知らしめられることになったのでした。