サムエル記上1章1~28節

そして、誓いを立てて言った。「万軍の主よ、どうかあなたの仕え女の苦しみを御覧ください。この仕え女を心に留めてお忘れにならず、男の子を賜りますならば、その子を一生主にお献げし、その頭にはかみそりを当てません。」(11)

 サムエルは、イスラエルが王制に移行していく時期にイスラエルを指導した人物であり、神の言葉を伝える預言者であると共に、最後の士師とも言われます。サムエル記は、リビングバイブルでは、「王国成立記」と呼ばれていますが、サムエル記上ではサムエルの誕生から最初の王サウルの治世について、サムエル記下では第二代の王であり、イスラエルの歴史の中で最も大きな役割を果たしたダビデ王の治世について記されています。
 さて、サムエル記一章は、サムエルの誕生の経緯について記しています。エルカナには二人の妻がいました。一人はハンナ、もう一人はペニナです。ペニナには子どもがいましたが、ハンナには子どもがいませんでした。その当時、子どもがいない女性は神の祝福がないとされていたのに加えて、ペニナからもいじめられていました。そんな中でハンナは泣きながら主に祈ります。主は彼女の祈りを聞き、彼女に息子を与えてくださったのでした。