ボアズは「近親の者、家を絶やさないようにする責任のある者」でした。それは、ヘブル語でゴーエールというのですが、誰かが落ちぶれて、その畑や、時には自分自身を売らなければならなくなった時に、その人のためにお金を出して買い戻してくれる近い親戚を指していたのです。そしてその行為を「あがなう」と言いました。
ナオミはルツのためにとんでもない計画を立てます。それはボアズに自分たちの家や畑、そしてエリメレクの名を残すためにモアブの女性であったルツもあがなってもらおうというプランです。それはルツをめとり、ルツによって子をもうけることを意味しています。
ここでナオミがルツに命じたことは、今の私たちにととってはあまりにも突拍子もなく、危険に思えます。しかし、ナオミはボアズはきっと自分たちが伝えたいメッセージをきちんと受け止めてくれると信じていたのです。ボアズにとっても思いもしない提案だったことでしょう。しかしボアズは真摯にその思いを受け止めたのでした。