ルツ1章1~5節

士師たちが世を治めていた頃、国で飢饉が起こったので、ある男がユダのベツレヘムからモアブの野に身を寄せようと出かけて行った。妻と二人の息子が一緒であった。(1)

 ベツレヘムにエリメレクという人がいました。妻はナオミ、二人の息子がいてマフロンとキルヨンと言いました。ちょうどユダの地にききんが起こり、そのためにエリメレクは、モアブの地に身を寄せる決断をします。モアブの野とはイスラエルの東側で、実はモアブはイスラエルがまだ約束の地に入る前に、イスラエルを偶像礼拝や姦淫に巻き込み、民の内に神の裁きをもたらしたということがありましたので、何代たってもイスラエルの会衆に加わることはできないとされていた人々です。
 エリメレクは「私の神は王」という意味の名前です。本来、ききんの中にあっても主に頼り、主に助けを求めるべきだったと思います。しかし、彼はモアブの地に救いを求めたのです。それが許されたのには、エリメレクがそれなりに財産を持っていたことを示しているのかもしれません。ただその地でエリメレクは死にます。また息子たちはモアブの女性と結婚しますが、息子たちもまた死んでしまったのでした。