士師記の記者は、この十九章の物語を「その頃、イスラエルには王がいなかった」という言葉で始めます。もちろん、王がいなかったこと自体が問題であったわけではなかったことはすぐに明らかになっていきます。たとい王がいたとしても、その神に立てられた王が神に従わなかったら何にもならないからです。ただこの士師記の時代、それぞれが自分の考えるように生きていく中で、多くの混乱が国の中にあったことも事実です。
一人のレビ人がベツレヘム出身の女性を側女としていました。けれども彼女との間に争いが起こって、彼女は実家に帰ってしまいます。このレビ人は側女を実家に連れ戻しに行ったのですが、彼女との帰り道、滞在していたギブアで彼女は辱められ、殺されてしまいます。ベニヤミンのギブアで起こったことは、創世記の時代に、ソドム、ゴモラで起こったような恐ろしい出来事でした。多くの問題、またツッコミどころのある話です。まさに約束の地を与えられたイスラエルの中で恐ろしいことが起こっていました。