逃れの町は、誤って人を殺したり、傷つけてしまった人が復讐者たちに殺されることのないように逃げ込む町でした。その人たちは逃れの町に逃げ込んで、きちんと裁判を受けることができました。
裁判においては証言がなされました。裁判においては二人または三人の証言が必要とされました。複数人の証言は一致しなければなりませんでした。裁判はその人の一生を決めていく、時にはその命に関わるものです。ですから証言する人はどこまでも誠実で真実でなければなりませんでした。
悪意をもって偽証をしたことが明らかになった場合には、その偽証の結果に見合う刑罰が課せられました。「命には命、目には目、歯に歯、手には手、足には足」という表現は十戒よりも古いハンムラビ法典にもある言葉ですが、復讐が行き過ぎないように制限を加えているものとも言われています。
裁判で証言することは多くないでしょう。しかし私たちもどこまでも真実な言葉を語る者でありたいと思います。