申命記9章1~29節

「彼らは、あなたが大いなる力と伸ばした腕によって導き出された、あなたの民、あなたの所有の民です。」(29)

 イスラエルの民が約束の地に住まわせていただけるのは、彼らが正しかったからではありませんし、その心がまっすぐだったからでもありません。神はイスラエルの民は「実にかたくなな民だ」と語られます。
 神がシナイ山でモーセに十戒を授けられた時にも、イスラエルの民は、金の子牛を作って、それを拝み、戯れていました。主は激しく怒り、イスラエルを滅ぼそうとされます。そうなっても当然でしょう。けれども、モーセが主の前に出て、イスラエルの民のためにとりなしたのでした。その後も水のこと、食べ物のことなどでイスラエルの民はしばしばつぶやきます。
 またカデシュ・バルネアでは、神の示された約束の地に入って行くことはできないと恐れて、不従順を起こします。「あなたがたは主に逆らい続けてきた」というのがイスラエルの民の姿でした。モーセが神の御言葉を盾に取るようにしてイスラエルの民のために祈ったので、主はそのご自身の御言葉のゆえに、イスラエルをなおも憐れみ、ゆるされたのです。