4節の「聞け(シェマー)、イスラエルよ」で始まる部分は、イスラエルの人たちにとって、今もとても大切にされている言葉です。宗教的な人たちは家の入り口にこの言葉を入れた小さな箱を設置しています。また男の子が十二歳で成人する時には、必ずこの言葉を暗記しなければなりません。主が唯一の救い主であることを覚え、心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして主を愛し、そして、あらゆる機会をとらえて自分の子どもたちにそのことを教えることが求められています。
主イエスも、この言葉を一番大切な戒めとして理解しておられました。まさに神を愛するということはすべての戒めの基本になることだからです。また形だけ決まりを守っていても、それはあまり意味はありません。大切なことは戒めを守って生きるということの動機が、自分たちを奴隷であったところから救い出してくださった主への愛だということなのです。