出エジプト記26章1~37節

そして垂れ幕の奥に証しの箱を運び入れなさい。その垂れ幕はあなたがたにとって聖所と至聖所とを分けるものである。(33)

 幕屋は神を礼拝するための移動式の聖所です。そしてその幕屋も二つに隔てられ、奥の間と前の間を隔てる隔ての垂れ幕がありました。特に奥の間は「至聖所」と言って、そこには神の箱が置かれていました。もちろん、移動する時にはそこに人が入って行かなければなりませんでしたが、そのような場合でも、そこに入ることができる人は決まっていましたし、祭司であっても、至聖所に軽々しく入ることはできませんでした。ただひとり大祭司だけが一年に一度、動物の血を携えてそこに入り、民のために祈ったのです。
 この垂れ幕は聖所の中でも特に聖なる場所を隔てるとても大切な幕でした。しかし、主イエスの十字架の死の時にはこの垂れ幕が上から下まで裂けました。それは主イエスにあって、もう聖なるものとそうでないものとの境がなくなったということではありません。あくまでも神は聖なるお方です。しかし、聖なるお方に近づく道が主イエスによって開かれたのです。