創世記50章1~14節

ヤコブの息子たちは父が命じたとおりに行った。(12)

 ヤコブの遺体は丁寧にミイラにされ、エジプト全土の人々がヨセフの父ヤコブの死を悼みました。そしてヨセフはファラオの許しを得て、兄弟たちと共にマクペラの洞窟にヤコブを葬ります。ファラオの家臣たちやエジプトの長老たちも同行します。そしてその地において荘厳な葬儀が執り行われたのでした。
 ヤコブがヨセフやその兄弟たちに語っていた遺言の通りでした。アブラハムの時も、イサクの時もそうでしたが、祝福を受け継いだ人たちがこの地上の生涯を終えていく中で、その存命中にはなかなか関係が難しかった兄弟たちが、心を合わせて、その父の死を悲しむ姿の中に主の憐れみと祝福の大きさを思います。
 そして、エジプト中が悲しみを共にしてくれたことは、ヨセフにとっても大きな慰めだったことでしょう。私たちも痛みや喪失の中を通らなければならないことがあります。そのような時に悲しみをなかったことにしたり、十分に悲しむことなしに先に進もうとすることはとても大きな心の傷になると言われています。悲しむこと、そして誰かが一緒に悲しんでくれることはとても大切なことなのです。