イスラエル(ヤコブ)にとって、ヨセフが生きているということは信じられないような喜びだったでしょうし、一刻も早くヨセフのいるエジプトに飛んで行きたい思いもあったことでしょう。しかし、同時にイスラエルの中に、ある種のためらいもまたあったのかもしれません。イスラエルの祖父アブラハムは飢饉の時にエジプトに下って大失敗をしていますし(十二10~)、父イサクの時代に起こった飢饉では、神はイサクにエジプトに下らないようにと命じておられます(二六1~)。しかし、この時には夜の幻の中で、神が、恐れないでエジプトに下るようにとおっしゃり、祝福と臨在の約束をイスラエルに与えられたのでした。
イスラエルはすべてのものを携えて、エジプトに下り、獣に裂き殺されたと嘆き、あきらめていたヨセフと感動の再会をしました。そしてイスラエルとその一族はエジプトでとても肥沃な地に住むことを赦されたのでした。