必死になって弟ベニヤミンのためにとりなし、自分の身を差し出す兄ユダにヨセフも自分を抑えられなくなりました。そしてついに「私はヨセフです」と彼らの言葉で語りかけたのでした。兄たちは、驚いて言葉が出なかったことでしょうし、また自分たちがヨセフにしたことを思い、背筋の凍る思いがしただろうと思います。
しかし、ヨセフはこの時、兄たちを憎んだり、復讐したりということは全く考えていませんでした。確かに兄たちはヨセフを憎んで、ヨセフを売りました。しかし、この時、ヨセフは「神が私をあなたがたよりも先にお遣わしになったのです」と語ります。兄たちの悪意や罪を越えて、自分たちを救うために神がおられて、そのお方の御旨と力の中で、自分はここに遣わされた。圧倒的な神の主権とその神の守りに対する信頼をこのヨセフの言葉の中に見ます。そしてヨセフと兄弟たちは感動的な再会を果たしたのでした。