ヨセフは自分の銀の杯をベニヤミンの布袋の中に入れておくように家の管理者に命じます。そしてヨセフの兄弟たちがエジプトから出て行った後に、追いかけて銀の杯を盗んだだろうと詰問します。そして、当然のようにその銀の杯はベニヤミンの袋から出て来ます。ヤコブの息子たちはショックをうけつつ、もう一度ヨセフのところに戻って来たのでした。
ヨセフは荒々しい口調で彼らを責め、銀の杯を盗んだベニヤミンを自分の奴隷として仕えさせると言ったのでした。ヨセフはここで一番末の弟ベニヤミンに兄たちがどのような態度を取るのかを見ていたのかもしれません。
その時、ユダが口を開きます。ユダは二十年前にヨセフを売ってしまおう、と冷たい仕打ちを自分にした人物です。しかし、この時、ユダは父がどんなに末息子のベニヤミンを愛しているかを語り、父ヤコブのためにも自分がベニヤミンの代わりになることを許してほしいと必死で願い出たのでした。ユダは確かに変わっていました。