創世記43章1~14節

どうか、全能の神がその人の前でお前たちを憐れみ、もう一人の兄弟とベニヤミンとを返してくださるように。子どもを失わなければならないのなら、失うまでだ。(14)

 息子たちの報告を聞き、またエジプトを治める人が自分たちに語ったことを聞いたとき、ヤコブは、すぐに、ベニヤミンは絶対に彼らと一緒にエジプトに行かせることはしないと語っていました。ヨセフだけでなく、ベニヤミンをも失うことになってしまうと恐れたのです。
 しかし、飢饉はなお激しく、エジプトで買った食糧は底をつこうという中で、ヤコブは、息子たちにもう一度エジプトに行って、食糧を買ってくるようにと言います。しかしヤコブはあくまでもベニヤミンを手放して彼らに同行させることには恐れをおぼえています。そのような中でユダは「あの子のことは私がその安全を請け合います。その責任は私が取ります」と語ったのでした。
 ヤコブはそのような息子たちの言葉を受けてついに、ベニヤミンをエジプトに同行させることに同意します。同時にここでヤコブは、最愛の息子ベニヤミンを手放す決断をしたのでした。