創世記41章1~36節

その時、献酌官長がファラオに申し出た。「私は、今日になって自分の過ちを思い出しました。」(9)

 ヨセフの夢の解き明かしの通りに、元の仕事に戻された献酌官でしたが、ヨセフにとりなしを頼まれていたにもかかわらず、二年にわたってそのことを忘れてしまいます。しかし、二年後、ファラオは夢を見ます。誰もその幻を解き明かすことができない、そのようなタイミングで、献酌官はヨセフのことを思い出したのでした。ヨセフに頼まれていたことを忘れてしまったこと自体は決してほめられたことではありません。けれども、このタイミングで思い出したところに、ヨセフをどこまでも忘れず、ヨセフのために最善をしようとしておられた神の御思いを思わずにはいられません。
 ヨセフは牢獄から引き出され、支度を調えてファラオの前に立ちます。そしてファラオを悩ましていた不思議な夢を解き明かしたのでした。ヨセフは、その夢の意味を説明しただけではありません。それを受けてどうしたらいいかというアドバイスも含めてファラオに真摯に語ったのでした。