突然のように、ヤコブの四男ユダの話になります。三七章以降はヨセフ物語というよりも、ユダを主人公として書かれているのではないかと思うほどです。そして、アブラハム、イサク、ヤコブと受け継がれてきた祝福を受け継いだのがユダであったことを思うときに、なおさら、一見不可解に思えるこの挿話が、とても大事なものであったことが分かってくるはずです。
ここで、ユダの息子エルとオナンが主に打たれて死んでしまいます。エルの妻であり、後に弟のオナンの妻となったタマルが残されます。タマルはエルとオナンの弟シェラが成人するまで実家で待っていました。そんな中で、ユダの妻も死にました。エルとオナンは主の前に罪を犯したのでした。ある意味、やむを得なかったのでしょう。ただ、ユダは大きな悲しみを経験します。この経験は父ヤコブの気持ちを理解することの大きな助けになったはずです。また、ユダは、そうと知らずに、自分の嫁タマルとの間に子をもうけます。それはユダの不誠実な態度がもたらしたことでした。しかし、後に、このタマルがユダに生んだ子どもたちは、神の豊かな祝福をいただくことになります。