三七章からはヤコブの子ヨセフの物語が綴られています。ヨセフの母親はヤコブの最愛の妻ラケルでしたし、ヨセフはヤコブの十二人の息子たちの中で十一番目に生まれた子でした。そしてヨセフの弟ベニヤミンが生まれる時に、ヨセフの母ラケルは死んでしまいます。その意味でも、父ヤコブはことさらにヨセフをかわいがったのだと思います。しかし、そのことはヨセフの兄たちの妬みを引き起こすことになります。
ヨセフは兄が悪いことをしていると、そのことを父に言いつけましたし、また自分が見た夢を兄たちに語りました。それは兄たちが自分に仕えるようになるという意味にとれる夢です。そしてその夢は後に文字通り実現するのですが、まだ兄たちにはそれは理解できませんでした。ヨセフも人間関係の取り方が稚拙だったように思います。しかし、神の大きな計画と御手の中で、ヨセフをとりまく歴史が動こうとしていました。