創世記35章1~15節

「さあ、ベテルに上ろう。苦難の日に私に答え、私の行く道で共にいてくださった神のため、そこに祭壇を造ろう。」(3)

 ヤコブはエサウを恐れるあまりに、シェケムの町の前に宿営したことによって娘を傷つけ、また息子たちを怒りにまかせて行動させることになってしまいました。そして、シェケムたちが、ヤコブをその財産もろとものみ込んでしまおうと自分の民に対して語っている場面などを読むと、ヤコブはとても危険な状況に置かれていたのだと思います。
 そもそも、かつて両親の家から出て、石を枕に寝ていた時、彼は幻を見せられ、神の約束を聞きました。そしてヤコブもまた自分が無事に戻って来たら、ベテルで神を礼拝するという約束をしていました。ですから、神はヤコブに、「さあベテルに上り・・・」と語られたのです。ヤコブは自分の家族や、自分に同行していた人たちに、神のことを「苦難の日に私に答え、私の行く道で共にいてくださった神」と言います。ヤコブがベテルで神を礼拝した時、神もヤコブにご自身をあらわし、ヤコブのことをペニエルで与えられた「イスラエル」という名で呼んでくださったのでした。