ヨハネ14章

心を騒がせてはならない。神を信じ、また私を信じなさい。(1)

 主イエスは弟子たちに何度も受難の予告をされました。主イエスが人となってこの世に来られた最大の目的はまさにそこにあったからです。そしてヨハネは十字架にこそ、神の栄光があらわされたのだという受け止め方をしています。しかしながら、主イエスが地上の王となって新しい国を建て上げるのだと期待していた弟子たちにとってそれは決してあってはならないことでした。ただ同時に、主イエスを取り巻く宗教家たちからの反発は弟子たちに大きな不安をもたらしていたことでしょう。
 十字架を直前にして、弟子たちはとても心の騒ぐ状況の中にいたのです。しかし、主イエスはおっしゃいました。「心を騒がせてはならない」。そして、神を信じ、また主イエスご自身を信じるようにと命じられたのでした。十字架は決して敗北ではありません。主イエスはこの地上を去ろうとしておられましたが、それは信じる者たちのために場所を用意しにいくためでした。主イエスを通して、父のみもとにつながる確かな道が備えられ、また私たちがいつも主と共にいるために場所が用意されたのです。