ヨハネ12章

その時、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足を拭った。家は香油の香りでいっぱいになった。(3)

 主イエスが人々の歓声の中、エルサレムに入城される日曜日の前日、主イエスと一行はエルサレムの東側のベタニア村にいました。そこには主イエスがよみがえらせたラザロとその姉妹マルタとマリアもいました。マルタはこの時も給仕をしています。ラザロはイエスさまと一緒に食卓についています。マリアはどうしたのでしょうか。
 その時、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油1リトラ(300グラム強)を持ってきて、イエスさまの足に塗り、自分の髪の毛でそれをぬぐったのでした。ヨハネはその時の香りを晩年になっても忘れられなかったのでしょう。「家は香油の香りでいっぱいになった」と語ります。弟子たちの見立てではそれは一年分の労働に対する対価に等しいものでした。しかし、マリアはそれを決して無駄だとか、もったいないとか思いませんでした。彼女はある意味、主イエスの言葉をまっすぐに受け止めて、主イエスの葬りのための準備をしたのです。