ルカ4章

悪魔はイエスに言った。「神の子なら、この石にパンになるよう命じたらどうだ。」イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」とお答えになった。(3~4)

 洗礼者ヨハネからバプテスマを受けられた主イエスは聖霊に導かれて荒野に行かれます。「荒野」というのは聖書の中では必ずしも、悪霊のさまよっているような不気味な場所ということではありません。旧約聖書においては主は荒野でイスラエルの民と出会われたとありますし、荒野は主がイスラエルの民と愛の関係を深められた場所として描かれています。それはお花畑や豊かな収穫のある畑ではないでしょう。しかし、荒野と思われるような場所や状況の中で、私たちの信仰や神との交わりが深められることがあるのです。
 この荒野で、主イエスは悪魔の誘惑にあわれました。この誘惑は、主イエスに十字架とは別の道を行かせようとする誘惑でした。十字架よりも、人々の必要を満足させ、欲望を満たし、びっくりさせるような、そのような道を選んだ方がよいのではないかと、悪魔はイエスさまを誘います。しかし、主イエスは聖書の言葉によって悪魔を退けられたのでした。