マタイ19章

イエスは彼らを見つめて、「それは人にはできないが、神には何でもできる」と言われた。(26)

 イエスさまのところに金持ちの青年がやって来ました。この時代、イスラエルでは豊かさは神の祝福と受け止められていました。しかも彼は非常に真面目で、幼いときから律法を守り、正しい生き方をしていました。ただそれでも、彼の中には、永遠の命を持っているという確信がありませんでした。おそらく彼の真面目な性格を知っている人たちは、彼には何の問題もないと言ったことでしょう。しかし、彼はイエスさまのところにやって来て、「永遠の命を得るためには、どんな善いことをしたらよいでしょうか」と尋ねます。
 戒めはみな守ってきました、と言う彼にイエスさまは、「行って持ち物を売り、貧しい人たちに施して、私に従いなさい」と語ります。しかし、たくさんの財産を持っていた彼は、悩みながら立ち去っていったのでした。
 金持ちが天の国に入るのが難しいとしたら、誰が救われるだろうかと問う弟子たちに、イエスさまは、「人にはできないが、神にはできる」とおっしゃいました。できないということを認めて、神さまにすがることが求められているのです。