ハバクク1章

主よ、あなたは昔からわが神、わが聖なる方
不死なる方ではありませんか。主よ、私たちを裁くためにあなたは彼らを定められました。岩なる方よ、私たちをとがめるためにあなたは彼らを立てられました。(12)

 ハバククは未名ユダ王国の預言者であり、この預言書も南王国ユダ末期の時代、紀元前六百年頃に語られた預言だとされています。この時代、南ユダ王国は非常に危機的な状況の中にありました。それは単に政治的・軍事的・経済的にというだけではありません。人々の心は主から離れ、罪が国に満ちていました。破壊と暴虐、争いと諍いが国の中にあり、悪しき者が正しい者を追い込み、裁きは曲げられていました。ハバククはいつまで、このような状態が続くのですかと叫びます。
 それに対して主は南ユダ王国に主の裁きが臨もうとしていることを告げられます。主はそのためにカルデア人が用いられることを告げられました。
 しかし、ハバククは、この主の答えにかみつくように訴えます。そのカルデア人はイスラエルよりももっと罪深いではないか、諸国に残虐なことをしているバビロンを知っているハバククは納得できません。そして主はそのようなハバククの訴えに耳を傾けてくださったのでした。