アモス1章

彼は言った。主はシオンからほえたけり
エルサレムから声をとどろかす。
羊飼いの牧草地は乾き、カルメルの頂は枯れる。(2)

 アモスが預言者として主の言葉を語ったのは、北王国イスラエルの王がヤロブアム2世、南王国ユダがウジヤ王の時代でした。この時代は北王国も南王国も非常に国力が充実し、栄えていた時代であり、また政治的にも安定していました。しかし、そのような繁栄した時代には、イスラエルの民はしばしば主を忘れました。
 この一章では、エルサレムから厳しく語られる主の言葉が記されています。ダマスコはイスラエルの北東にありアラムの首都でした。次に語られるのはガザ、イスラエルの南西部にあるペリシテ人の町でした。エドムはイスラエルの南、アンモンはエルサレムの東側です。ちょうどダマスコからスタートして、時計の反対回りに、イスラエルを囲む国々に対して主は語られました。
 周辺諸国への裁きの言葉をアモスが語った時、イスラエルの人々はとても心地よく聞いていたことでしょう。しかし裁きは自分たちにも迫っていました。