ヨエル2章

あなたがたの衣でなく心を裂き
あなたがたの神、主に立ち帰れ。
主は恵みに満ち、憐れみ深く、怒るに遅く、慈しみに富み、
災いを下そうとしても、思い直される。(13)

 「主の日」というのはヨエル書に繰り返される鍵の言葉のひとつです。そして、この「主の日」という言葉には、主の恐ろしい裁きの日という意味合いがあるのは事実です。
 しかし、ヨエルは単に主の裁きを告げ知らせたということではありません。ここで神はヨエルを通して「あなたの神、主に立ち帰れ」と呼びかけられます。主は何度も背き続ける民に対しても、なおも主の御前に戻って来る道を開いておられます。「主は恵みに満ち、憐れみ深く、怒るに遅く、慈しみ富んでおられる」というのはイスラエルの中に代々受け継がれてきた信仰告白です。ただだから、何度でも悔い改めておいたらいいというようなことではありません。安易な悔い改めではなく、真実な悔い改めを主は求めておられます。そして、主は救いと回復とを与えてくださいます。裁きによって失ってしまったものをはるかに越えるほどの祝福が備えられているのです。