ダニエル11章

この王は思うままに振る舞い、あらゆる神にまさって驕り高ぶり、神々の神に向かって驚くべきことを語る。しかし、彼が栄えるのは憤りが満ちるまでである。定められたことがなされるからである。(36)

 天使はダニエルに、これから地上で起こることについて語ります。天における戦いに平行するようにして地においても戦いが起こります。ペルシアの支配の後、ギリシアの王が大きな勢力を握ります。これはアレキサンダー大王のことです。けれども、彼は天下を取った直後に死に、国は四分割されます。
 その後、北の王(シリア)と南の王(エジプト)の間で戦いが続きます。北の王は神に対してもおごり高ぶり、好き勝手なことをします。しかし、彼の繁栄はほんの一時のことです。すべてのことは神の御手の中にあるのです。実際に、セレウコス朝シリアのアンティオコス・エピファネスはエルサレムの神殿の祭壇に豚を献げ、またユダヤ人たちに対して大迫害を行ったことが分かっています。ただ、ここに記されていることが全て過去のこととは限りません。なお主に逆らって立つ者は多くいるからです。しかし主に背く者の栄華は一時的なものにすぎません。