ダニエル1章

しかし、ダニエルは王の食事と王が飲むぶどう酒によって自らを汚すまいと心に決め、自分を汚さないでほしいと、宦官の長に頼んだ。神は宦官の長の前で、ダニエルに慈しみと憐れみを与えた。(8~9)

 ダニエルは、ヨヤキム王治世の第三年に、捕虜としてバビロンに連れてこられました。エルサレム陥落まで二十年ほどという時期です。ネブカドネツァル王は、自分が治める国々の優秀な青年たちをバビロンに捕らえ移し、バビロンで教育することによって、バビロンの統治を盤石なものにしようとしたのでしょう。
 その教育の中には、バビロンの言語・文化・宗教、すべてが含まれていました。そしてそのバビロン化の過程の中で、バビロンのごちそうを食べさせるということもあったでしょう。
 しかし、ダニエルと三人の友は、王の食事と飲み物をとることを拒みます。それ自体も、まさに命がけだったと思います。彼らは肉の代わりに野菜を、ぶどう酒の代わりに水を与えられました。けれども彼らは誰よりも顔色が良く、また誰よりも優秀でした。彼らの信頼に主は応えてくださったのです。