エゼキエル48章

その日からこの町は、「主がそこにおられる」と呼ばれる。(35)

 エゼキエルがバビロンに捕囚になって、そこで生活していたとき、その最中にあって、南ユダ王国は滅亡し、エルサレムも廃墟になります。南ユダ王国は、ユダ族とベニヤミン族の二部族でした。残りの十部族は北イスラエル王国を構成していましたが、百三十年以上前にアッシリアによって滅ぼされて、民は捕囚になり、国も消滅していました。
 しかし、エゼキエルがこの預言の書を締めくくるにあたって見せられている幻においては十二部族が全部登場し、それぞれ嗣業の割り当て地を与えられています。そしてその国の中央には聖所があるのです。エゼキエルはイスラエルの十二部族すべてがそろった形での新しいイスラエルの幻を見ています。希望を抱きづらい状況の中で、エゼキエルは主によってもたらされる回復の幻を見ます。そして、その回復した新しいイスラエルにあって、その都であるエルサレムは、「主がそこにおられる」と呼ばれます。まさに主の臨在こそ、その都の命なのです。