エゼキエル32章

私がエジプトの地に荒廃をもたらすとき
地は荒らされて、そこを満たすものはなくなる。
私がそこに住む者をすべて打ち倒すとき
彼らは私が主であることを知るようになる。(15)

エジプトはいつの時代にもとても豊かで強大な国でした。豊かなナイル川の流れは、エジプトに富と繁栄をもたらしました。東の方にアッシリアやバビロンといった大帝国が栄えていても、西の大帝国として、その地位は揺らぐことはありませんでした。ですから、バビロンの圧迫を受ける時には、特に中小の国々はエジプトにすがり、その庇護を求めることによって生き延びようとしました。
 しかし、そのエジプトがバビロンに打ち破られ、廃墟となる。それだけその権勢を誇った国も、バビロンに滅ぼされた多くの国々と共に黄泉に送られてしまう。エゼキエルはエジプトのために悲しみの歌を歌います。エジプトは滅びます。そしてエジプトにすがって、その陰に身を寄せた国々は共に滅んでいくことになります。エジプトは彼らを救うことはできません。イスラエルの民はもう一度、自分たちが身を寄せることができる確かなお方が主だけであることを知らなければなりませんでした。