エゼキエル29章

エジプトの地は荒れ果てて廃虚となる。こうして、彼らは私が主であることを知るようになる。あなたが、『ナイル川は私のもの、私がこれを造った』と言ったからである。(9)

 二九~三二章はエジプトに対する預言が語られます。南ユダ王国の王たちは、エジプトとバビロンとの間で揺れ動いてきました。エジプトが攻めてくるとバビロンにすり寄り、バビロンに攻め込まれるとエジプトからの助けを期待するといった具合です。確かに、バビロンとエジプトはその時代を二分する大勢力だったことでしょう。しかし、主はエジプトに対する裁きを告げられます。エジプトの人々が「ナイル川は私のもの、私がこれを造った」と傲慢なことを語ったからです。大きな繁栄と権力を誇ったエジプトは荒れ果てて廃墟になろうとしていました。エジプトの人々もバビロンに打ち破られて、捕囚になるのです。
 主は、そのようなエジプトにすがろうとするイスラエルの民に、その虚しさを語られます。エジプトにすがってもエジプトはイスラエルを救うことも支えることもできなかったからです。しかし同時に、主はエジプトの回復についても語られたのでした。