哀歌1章

そのために、私は泣き、私の目から、この目から涙が溢れ出る。私を慰め、魂を生き返らせてくださる方が私から遠ざかったからだ。敵はあまりに強く、私の子らは見捨てられている。(16)

 哀歌は、エルサレム陥落の時のことについて歌った悲しみの歌とされています。作者はエレミヤとも言われ、「エレミヤ哀歌」と本書を呼ぶこともあります。実際、エレミヤが悲しみの歌をしたためたことは聖書の中に記録されていますが、この哀歌がそれに当たるかどうかは不明です。
 この哀歌はヘブル語のアルファベット二二文字に合わせて書かれています。詩編の中にもアルファベット詩があるのですが、イスラエルの人たちは、そのように言葉を覚え、共に賛美し、時には悲しみを共にしました。
 この哀歌の作者は泣いています。「私を慰め、魂を生き返らせてくださる方」を仰ごうとするのですが、そのお方が遠くおられるように感じる。敵は余りにも強く、嘆きは深い。しかし、そのような中にあっても、この哀歌の作者は主なる神に向かって、なお声を上げるのです。