エレミヤ47章

ペリシテ人をすべて滅ぼす日が来る。生き残っていて、ティルスとシドンを助けようとするすべての者を絶ち滅ぼす日が。その日、主はカフトルの島に残っているペリシテ人を滅ぼされる。(4)

 ペリシテ人とは、イスラエルの南西側に栄えた都市国家に住む人々で、今のパレスチナのガザ地区周辺にあたります。海洋貿易などでも栄え、また、鉄器の技術なども古い時代から持っていましたので、その強い武器によってイスラエルを悩まし、ペリシテ人とイスラエルとの間にはしばしば戦いが起こります。士師サムソンも最大の敵はペリシテ人でしたし、イスラエルの初代の王サウルもペリシテとの戦いで命を落としました。
 しかし、そのペリシテ人にも滅びが迫っていました。ペリシテ人たちは大国ではありませんでしたが、高い技術力と財力を誇っていたことでしょう。イスラエルが弱体化し、滅んでいくのをこれ見よがしに見ていたかもしれません。けれども、どれほど多くの知恵と財産を持っていたとしても、それが人を救うことはありません。かえってしばしば、そのような人間的な誇りが国を滅ぼしてしまうことも少なくないのです。