エレミヤ40章

こうしてエレミヤは、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのもとに行き、彼と共に、その地に残された民の中にとどまった。(6)

 エルサレムが陥落した時、エレミヤもまた、鎖につながれて捕囚の民の中に加えられていました。しかし、そのことに気づいたバビロン軍の親衛隊長ネブザルアダンは、エレミヤの鎖を解き、彼を自由にします。エレミヤには選択権が与えられました。エレミヤがバビロンに移住したければ、それもできました。エレミヤはバビロンで優遇され、その生活も保証されていました。ただ同時に、バビロンがその地を治めるために立てたゲダルヤのところに行って、イスラエルに残された貧しい人々と共に生きることも許されました。エレミヤにとっては、バビロンに移住した方が楽だったと思います。しかし、エレミヤはイスラエルに残ることを選びます。
 しかし、イシュマエルはゲダルヤを殺す計画を立てていました。ヨハナンはゲダルヤにイシュマエルに気をつけるように警告しますが、ゲダルヤはヨハナンの言葉を信じることをしませんでした。ゲダルヤは人を疑うことを知らない、善良な人だったのかもしれません。けれども彼の身に、また残された民に危機が迫っていました。