エレミヤ6章

彼らは、わが民の傷を安易に癒やして
「平和、平和」と言うが、平和などはない。(14)

 ベニヤミン族はイスラエルの十二部族の中で、ユダ族と共にダビデ王家を支えた部族です。しかし、そのベニヤミン族に対しても、エルサレムから離れるようにとの勧告がなされます。小さい者も大きな者も、自分の利益のために他者をないがしろにし、また主に仕えるべき預言者や祭司たちまでもが虚偽に生きていました。彼らは真実を語っていませんでした。彼らは民が神に背いていても、その民の傷を安易に癒していました。そして目を覚まして真剣に悔い改めるように勧めるべき時に、「平和、平和」、大丈夫だからと語ることによって、手軽な救い、安心感を人々に告げていました。実際には、神の裁きと滅びが迫っているにも関わらず、真剣にそのことに向き合うことをせず、また人々にもそのことを求めませんでした。そして、民の方でも、本当のことを真っ直ぐに語られるよりも、多少手加減して、楽な道を示してくれることを願っていたのでした。滅びが臨もうとしていました。真剣な悔い改めが求められていました。