イザヤ51章

主に贖い出された者たちが帰って来る。歓声を上げながらシオンに入る。その頭上にとこしえの喜びを戴きつつ。喜びと楽しみが彼らに追いつき、悲しみと呻きは逃げ去る。(11)

 シオンとは神の都エルサレムのことです。エルサレムは麗しい都であり、そこに主が選び立てられた王がいて治め、また、主の神殿があって、イスラエルの人々が、また世界中の主を慕う人たちが集まって礼拝を献げていました。しかし、その麗しい、喜びに満ち溢れ、神の祝福のあふれた都が廃墟となろうとしていました。けれども、その荒れ果てた都がまた主の栄光に輝くのです。
 バビロンに捕囚になっていた民が喜びの声を上げてエルサレムに帰ってくる日が来ます。もう悲しみと呻きとはなくなってしまいます。主はその都を豊かに慰めてくださるのです。
 「贖い出された者たちが帰ってくる」という預言は確かに捕囚の民の帰還によって実現しました。しかしこのイザヤの預言はそれだけで止まりませんでした。このことはさらにやがて世界中の主の民が集まってくるその天の御国において完全な形で実現するのです。