イザヤ22章

二つの城壁の間に水溜めを造り、古い貯水池の水を引いた。しかし、お前たちは町を造った方に目を向けず、遠い昔に町を形づくった方を見ようとしなかった。(11)

 幻の谷とはエルサレムのことです。エルサレムの町の人々は自分の家の屋上に上り、大騒ぎをしていました。エルサレムの町は歓声に満ち、とてもにぎやかでした。しかし、その町に滅びが迫っていました。
 旧約聖書の時代、大きな町は町の周囲全体が高い城壁で囲まれていました。多くの場合には町の門を出た外に井戸や泉があったようです。しかし、いざ戦いということになると、城壁の内側に水があることがとても重要になってきます。エルサレムの町でも、ヒゼキヤ王の時代には門の外の泉から、内側まで、地下水路が引かれ、まさにその水路が町の命綱になりました。しかし、ここで語られるのは古い貯水池から引いた水溜めです。しかし、水溜では、人々の命を救うことはできなかったでしょう。イザヤは頼りにならない水溜めに頼る人たちを偶像や諸外国に頼る者につなげて考えています。エルサレムの民は、その町を形作られた主にすがるべきでした。