イザヤ15章

モアブについての託宣。
一夜のうちにアルは荒らされ、モアブは滅ぼされた。
一夜のうちにキルは荒らされ、モアブは滅ぼされた。(1)

 イザヤはエルサレムで預言し、特に北イスラエル王国、南ユダ王国について語りました。そして確かに、イザヤが仕えていた主なる神は、エルサレムにその名を置かれ、またイスラエルの民によって礼拝されていました。しかし、同時に、主は、単にイスラエルの神であるばかりではありませんでした。主は世界のすべての国であがめられるべき神であり、その当時の超大国であったアッシリア、バビロン、エジプトといった国々もその御手の中に置かれていました。そしてそれはイスラエルの周辺にあって、度々イスラエルを脅かしてきた国々も同じです。
 この章ではモアブが取り上げられています。モアブは、ヨルダン川の東側、イスラエルの東に隣接していた国です。そしてモアブはしばしばイスラエルとの紛争を抱えていました。しかしそのモアブが一夜にして滅んでいくというのです。人間的な繁栄は一時のものです。力や富に頼るのではなく主に頼るお互いでありたいと思います。