イザヤ14章

異国の使者たちに何と答えようか。「主はシオンの基を据えられた。その民の苦しむ者たちは、そこに逃れ場を見いだす。」(32)

 バビロンは多くの国々を征服し、大帝国を築き上げました。そしてイザヤがこの預言をしてから百数十年後に、南ユダ帝国もバビロンに滅ぼされ、またエルサレムの神殿は破壊され、エルサレムの町も征服されて、民はバビロンに捕囚の民として捕らえ移されました。イザヤはそのことも預言するのですが、同時にイスラエルが再び復興し、バビロンが滅ぼされることも予告します。主の言葉が実現したのは、二百年近く後のことです。
 イザヤは、ここでバビロンのことを「明けの明星、曙の子」と呼びます。「ルシファー」(明けの明星のラテン語)と言われる大天使が神の御前に高慢になって地に落とされ、サタンになったということが四世紀後半の教会教父によって語られたりしていますが、この箇所は直接的にはバビロン帝国のことを指しています。
 バビロンもアッシリアもペリシテも神の裁きの下に置かれます。しかし、主がその名を置かれたエルサレムは復興し、苦しむ者たちはそこに逃げ込んで救いを得るのです。私たちにも逃げ込むことのできる天のエルサレムが備えられていることを覚えたいと思います。