コヘレトの言葉5章

神は、富や宝を与えたすべての人に、そこから食べ、その受ける分を手にし、その労苦を楽しむよう力を与える。これこそが神の賜物である。(19)

 ソロモンは巨額の富を持っていました。王の家の壁も床も天井も金が貼られ、輝いていました。調度品も、食器なども金色に輝いていました。ソロモンの時代は、金があり余るほどあふれて、その使い道に困るほどでした。だからこそ、ソロモンは富が私たちに幸せや満足を与えてはくれないことをよく知っていたのです。またどんなに多くの財宝を手に入れることができたとしても、私たちがこの地上の生涯を終えるときにはそれを全部置いていかなければなりません。
 ソロモンは言います。私たちの幸せはどれだけ多くのものを持っているかによっては決まらない。実はどんなに貧しく、また平凡な暮らしをしていたとしても、食べたり飲んだり、太陽の下で仕事をしたり、実はそういうところに私たちの幸せはあるのだ。そしてそのような案外小さく見える幸せが神から与えられたとても大きな祝福なのです。